物には名前がついていますが、
突然その名前になったわけではなく、
必ず由来があります。
例えば、当工房の彫刻神棚に使う木曽桧の桧。
桧(ひのき)の名前の由来は、色々な説がありますが、
太古の昔に生きた人々は、この木を用いて火を起こしたから、も言われています。
桧で小さな火を起こし、そこに詰まりの良い広葉樹をくべていくと、
やがて包み込むような暖かさの火になります。
そのようにしてできた火に人は集まり、
火を中心にして人の輪ができ、
火を眺めて過ごす時と場所が存在していたはずです。
人が火を見ているだけで心和むのは、
そんな太古の記憶を無意識の中に持っているからなのかも知れません。
桧は、そんな人の輪ができる場に欠かせない木でした。
さて、もうすぐ新年です。
大晦日の夜に神社に行くと、焚き火が行われています。
街で普通に生活していれば、
焚き火に当たれることは滅多になく、
この大晦日から新年にかけての焚き火を楽しみにしている方もいるのではないでしょうか?
焚き火に温められるたび、
火は昔も今も人々に癒しを与えてくれる尊いものなのだなと感じます。
火起こしには、ライターと着火剤が使われていると思いますが、
太古の昔と変わらず、始めの段階には細かく割った桧や杉を燃やして火を大きくします。
人と人、人と自然をつなげる火。
そんな火に由来する「ひのき」を形づくる仕事に、
来年も真心もって取り組んでいきたいと思います。
それでは、今年一年ありがとうございました。
皆さんよいお年をお過ごしください。
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