天皇皇后両陛下が近所に突如として・・

今日、近所に天皇陛下が来てました。
神棚を彫っている人間が、天皇について書くと、
皇室ファンか右翼だと思われるかも知れませんが違います。

今日は日曜日。
趣味の自転車で爽快に走っていたところ、スゴい人だかりに遭遇しました。
皆が待ち構えていたのは、下の車でした。
ちなみに、今回のような公務中の写真はアップしても大丈夫なようです。
手前で手を振る雅子皇后さま
手を振る天皇皇后両陛下

急いで撮影しました。
後部座席の奥に天皇陛下が座っておられて、
雅子さまが手前で手を振っているのが見えるかと思います。
全国植樹祭というものらしく、
天皇に即位されてから初の公務であるとのこと。

式典後、陛下がスギやクスノキなど、皇后さまがシデコブシやヒトツバタゴなどの苗木を、それぞれクワを使って丁寧に植えられた。と、ニュース記事に出てました。
加えて天皇陛下は、
「健全な森を次世代のために造っていくことは、私たちに課せられた大切な使命であると考えます」と述べられたそうです

私たち日本人は自然との調和の中でその歴史と文化を紡いできました。
私自身は、木曽桧という素材を使い、モダン神棚を彫っている人間なので、
たとえテクノロジーがどれだけ発達しても、日本に生活する人々が、根無し草の様にならないように、
そういった「原点」のようなものは大切にしたいと願うほうです。
日本人が本来持っていた、自然への畏れ、恵みへの感謝。
現代に生きる私たちが忘れかけている、そんなこころを木彫りの神棚作りを通して、
少しでも回帰させればと思っています。
私たちは3.11の東日本大震災をきっかけに、そういった事に気が付くはずだったのではと思うことがあります。
科学技術の力を過信した末に起きた未曽有の大惨事。
あれから8年。加速度を増して日本人の「原点」からの距離は遠くなっているように感じます。
何かがおかしい、と誰もが思っているのに、
この流れは止められない感じさえあります。

大震災のあと、私は偶然に、若手作家の海外渡航を支援する奨学金を得て、長い間オーストラリアのタスマニア島に滞在しました。
ゴンドワナ大陸の時代から残る原生林を持つその島は、
いまだ自然豊かである反面、
日本に木材を輸出するために過去何十年にも渡り乱伐を続けてきて、今なお続いています。
それは振り返ると、日本は自国の森林は適度に維持する代わりに、他の国の森を破壊し続けてきたという事実を、自分の目で確認する経験でした。

日本に帰ってくると、環境破壊に関する事をテレビや雑誌で目にすることはありました。
しかし、その内容は「私たちの生活や経済への影響は」とか「CO2がどうの」といった議論がほとんどであって、
その土地で、住処や生活を奪われる人々、動物、また植物に対する慈悲は抜け落ちているように見えました。
根無し草の様になった私たちが、目先の損得を追い求めているようでした。

そんな中、祈り雲を作り始めたのは「木を素材にした日本人の心の原点に触れる仕事」だと思ったからです。

以上のような事もあって、
祈り雲を彫る時、日本の心を意識します。
現代に生きる私たちが忘れている、自然への畏れや恵みへの感謝。
私自身、特別な信仰を持っているわけではありませんが、
モダン神棚の作り手として、
その辺りは基本だと理解しています。

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