最近はウッドショックが話題になっています。影響を受けているのは建設業とはいえ、木工をする者なので色々調べてました。
ウッドショックは、木材の供給不足による価格の高騰で、種類によっては1.5倍にもなっているらしく、輸入材に頼っていた建設業では悲鳴が上がっています。
供給不足はアメリカで住宅の需要が急増により、木材が入ってこなくなったという事ですが、家がバンバン建つということは、アメリカはそれだけ景気が良いという事なんでしょう。しかし、日本に入ってこなくなるほどの需要に驚きです。コロナで在宅ワークが増えたとはいえ、もしかしたら、理由は住宅需要増加だけではなく、コロナ以降に崩れたサプライチェーンの影響とか、北米で起こっている大規模な山火事の影響もあるのかもしれません。
うちの工房は、木材の製材所との関りがありますが、林業全体には詳しくありません。
ただし、個人的に昔からアウトドアが好きなので、それを通して、ここ20年くらいの森林の変化は感じています。そこで、よく思っていたのは、太い木が増えたなぁ、という事です。同じように感じている方も多いのではないでしょうか。
うちの近所にある森も、よく管理がされているせいか、ほんとうに立派な木がきれいに育っているんですね。直径が50cmを越える木を頻繁に見かけますし、大径木と言われる直径70cmを越える木も都市に近い森でもたまに見かけます。それらの樹種は主にヒノキやスギなのですが、今まさに足りていない建材に使われる木ですよね。
こんなに良材があるのに、輸入が滞った途端にウッドショックが起こってしまうのは、長年輸入材に頼り過ぎてきたために、大木を伐採して運び出すシステムとか、太い木を製材する機械や人材がすくなくなっていて、それらのシステムはすぐには作れないという事情があるようです。
安価な輸入材を使うと短期的には利益につながるわけですが、今回のような海外の状況に揺さぶられるリスクがとても大きいという事が分かります。
森林面積でみれば日本は森林大国で、国産材を安定的に供給できるシステムを構築できるポテンシャルは十分にあるので、今回のショックがいい転換点になるのかもしれません。
それに僕もそうなんですが、花粉症の人にとってみれば、国産材の供給と消費のサイクルができることは嬉しい事です。なぜなら、ヒノキやスギが花粉を出すのは樹齢30年以上の木だからです。なので、建材として30年以内に伐採されていき、花粉を出す木が減る事にかなり期待しています!
また、従来のように大量の木材を日本に運ぶ過程で大量の燃料を使うというやり方がだんだん時代にも合わなくなっている気もするので、今後、国産材の利用が進むといいですね。
今回は、ウッドショックについてでした。